かつて岐阜の純喫茶界隈を彗星のように駆け抜けた3人組、その名も「トキメキ純喫茶団」を皆さまご存知でしょうか。
岐阜の純喫茶をこよなく愛する3人組は、長良川おんぱくやケーブルテレビ番組「純喫茶探訪」を中心に隠れた名店を紹介し、岐阜市街に純喫茶旋風を巻き起こしていきました。
それから時は流れた2019年夏、細々と岐阜の喫茶店を巡っていたわたしの元に一通のDMが届き、令和の時代に「トキメキ純喫茶団」は再結成されることになったのです。
今回はその再結成の様子を、紅茶とホットケーキとともにお届けします。
団員紹介
三重県が生んだ素敵な和菓子職人かつトキメキ純喫茶団の団長。飄々とした風貌は故郷の忍者を思わせるが、内に秘めた情熱で美味しいおやつを次々に生み出す。
「大地のおやつ」や「だしブレンド」の生みの親でもある、岐阜の老舗油屋「山本佐太郎商店」の4代目。Twitterで紹介しているお店がどこも美味しそう。
好きなものについて語らせたら凄いらしい、プログラマー。コーヒーが苦手。
ブログ主とトキメキ純喫茶団を結びつけてくれた仕掛け人。「各務原暮らし委員会」として行政と地域の橋渡しをしているからか、コミュニケーション能力が尋常でなく高い。
会社員として世を偲びながら岐阜の喫茶店をひっそり満喫している。好きな飲み物はクリームソーダ。
2019年夏、再始動!
岐阜の喫茶店の魅力に惚れ込んだまっちんさんから始まった、トキメキ純喫茶団。
年月を経たインテリアや店主のこだわりが詰まった内装、ずっと変わらないメニューと常連さんとの他愛ないお喋り、緩やかに流れる時間・・・そんな何気無い幸せがぎゅっと詰まった喫茶店の魅力を、岐阜から発信していこうと思ったのがトキメキ純喫茶団結成のきっかけだったそうです。
奇しくもそれはわたしも同じで、このブログ「Hibi」を立ち上げた理由の一つが、岐阜の喫茶店のことをもっとたくさんの人に知ってもらいたかったからでした。
一見入りづらいような雰囲気を醸している喫茶店も、いざその扉を開ければ素敵な空間が広がっている・・・例えば新しい本の一ページを捲るような、宝箱をそっと開けるような、あるいは意中の相手に告白するような(これはまっちんさん談)、喫茶店を訪れる時に抱くそんなワクワクと驚きをもっと様々な地域、年代の人に届けたかったのです。
「かつて自分が抱いた岐阜の喫茶店への熱を、『Hibi』が再び思い起こさせてくれた。自分より若い世代の目にも岐阜の喫茶店は魅力的に写っていて、これからも残していきたい文化なんやなって改めて感じた。」とまっちんさん。
「ただ、岐阜の喫茶店も僕たちが取材をしていた頃からどんどん閉店していっている。鶯谷の入り口にあった『ゆづ』、伊奈波通の『壱番地』・・・今はもう廃業してしまった喫茶店ばかりで、まだ営業しているところはぐっと少なくなってまったね。」と山本さん。
「これからの世代の人みんなが、喫茶店を魅力に思ってくれるかどうかはわからない。でも、情報として発信しなかったら、行こうと思ってくれる人もきっと現れない。だからこそ、誰かが喫茶店の魅力を伝えていってくれるのはとても嬉しい。」と長縄さん。
喫茶店をもっと多くの人に知ってもらいたいと思いつつも、自分の手の届く範囲で細々としかやれてこなかった岐阜の喫茶店案内。それが今回、和菓子職人さんや老舗油屋さん、システムエンジニアに地域と行政の橋渡し役、それぞれに違った目線で日々を過ごし、新しいモノの価値を創り出している人たちと「トキメキ純喫茶団」再結成のご縁を結ぶことができました。
まっちんさんたちが「自分より若い世代の目線で見た喫茶店は新鮮で楽しい」と思ってくれたのと同じように、わたしにとっても、かつての喫茶店の姿や在りし日のエピソードを聞いて思いを馳せるのはとても心地よいものでした。多くの新しい価値が生まれていく中で、ずっと変わらずに、あるいは緩やかに形を変えながらも受け継がれている場所がある・・・多くの人に愛されてきた喫茶店を、まだそれらを知らない人たちの元へ繋いでいきたいという5人が集まって、トキメキ純喫茶団は再び生まれたのです。
そんな風に、いろいろな世代や感性がブレンドされた「新・トキメキ純喫茶団」。わたし達はこれからも岐阜の街へ繰り出し、喫茶店王国岐阜の魅力や喫茶店の楽しみ方を気ままにお届けしていく予定です。
次回予告
記念すべきトキメキ純喫茶団の第1回目は、かつてのメンバーも愛してやまないあの名店を訪れます・・・近日公開予定です。どうぞお楽しみに!