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ボンボン

1949年創業、名古屋で知らない人はいないほどの老舗喫茶店。
ボンボンを愛する人たちのざわめきを聴きながら、至福のケーキタイムをどうぞ。


名古屋の純喫茶といえば?と尋ねれば、必ず候補のひとつに挙がる「ボンボン」。「ちょっとお茶しにいこか〜」と名古屋人に愛されるボンボンですが、最近は全国から純喫茶ファンが訪れてやまないんだとか。。。

休日のおやつタイムともなれば、順番待ちは必至。
この日も店先の椅子に腰掛けて15分ほど待っていましたが、若い女の子2人組やカップル、洒落たジャケットのおじいさん、ふんわりショールが可愛いマダムまで、年代も性別もさまざまなボンボンファンが訪れていました。

喫茶室ボンボンのお隣はケーキ屋さん。ひとつ300円代〜のリーズナブルで可愛らしいケーキたちが店頭に並びます。
喫茶室の入り口はこちらではありませんので、ご注意くださいませ。

第一次大戦後、名古屋に収容されたドイツ人捕虜から洋菓子を習ったのが、ボンボンの先々代の山本五郎氏。欧米文化や技術を伝える「先生」であったドイツ人たちは、いわばボンボンの立役者のような存在だったそうです。

「良いものを安く」というモットーの通り、昭和31年の開店当時はコーヒー一杯50円、ショートケーキが50円、フルーツアラモードは80円。当時の大卒の初任給が1万円ですから、ひとときのちょっとした楽しみとして人々に愛されたことでしょう。多い時には1日で3,000人が訪れ、ケーキは飛ぶように売れていったそうです。

店内を一歩進むごとに、数十年前へタイムスリップしていくようなノスタルジックな気持ちになっていきます。
赤く艶めく革張りの椅子、温かなランプとステンドグラスの光、重厚なレンガ調のパーテーション。よそゆきの「非日常」を感じて、思わず背筋がシャン。

いつ行っても賑わっている、その事実こそがボンボンという店が愛され続けている証拠にほかならないでしょう。

わたしのオススメは、プリンとフルーツがたっぷりの「プリンローヤル」。何度訪れても、このビジュアルにときめきが止まりません。
可愛いを通り越して、もはや色気すら感じてしまうツヤッツヤのプリン・・・むっちりと弾力があって、たまご感たっぷりの昭和なプリンです。
甘いケーキたちによく合う、濃いめのコーヒー。ロゴ入りのカップも素敵・・・!

ボンボンの座席数は、約80席。大手チェーンカフェも顔負けの広さを誇る店内を見渡せば、実にさまざまな人たちが同じ空間を共有していることに気づきます。
静かに新聞を広げる人、友達同士でおしゃべりに夢中な人、仕事の途中で一服する人・・・どのテーブルにも可愛らしいケーキやコーヒーが並び、それぞれの「ボンボンタイム」がひとつのざわめきとなって「ボンボン」というお店を彩っていくようでした。

さて、今度はどんなケーキを食べてみようかな〜!

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